「影見」を行う少女。
ある事件をきっかけに、死者の姿や、他人の記憶・想いなどが見えるようになった。
人には見えないものが見えるため、周囲からは理解されず、次第に孤立するようになる。
夕莉は唯一の理解者である女性、黒澤 密花(くろさわ ひそか)が経営する骨董屋兼カフェ「くろさわ」で彼女と共に暮らし、
密花の「影見」を手伝うことになる。
作家。
取材を元にフィクションを構成する作風で知られている蓮は、
日上山周辺に見られる風習「弔写真(とむらいしゃしん)」を次の作品の題材として注目していた。
旧知の仲でもある密花から受け取った「弔写真」が収められたアルバムを見るうち、
蓮もまた、「弔写真」とそれにまつわる謎を追って、日上山を目指すこととなる。
母を探す少女。
幼少時代に母親が失踪して以来、現在の養母の家に預けられていたが、
触った人の心がみえてしまうことで同情や哀れみを感じ、強い孤独を感じていた。
日上山で母を見かけたという噂をたよりに、自らも山に向かうこととなる。
夕莉が暮らす「骨董・喫茶 くろさわ」の店主。
ある老婆が遺した「射影機」を持っている。
その老婆からの口伝やさまざまな文献から、失くした物を探す「影見」を身につけた。
骨董屋を営むかたわら失せ物探しを行うが、「人」が消えてしまう「神隠し」を追う依頼を受けることをためらっている。
蓮の助手。
蓮の家に居候をしている。
雑誌社の紹介で雇われることになった。
蓮曰く「いつのまにか家にいた」という。
蓮が苦手とする資料の作成、整理が得意で最近ではほとんど累が任せられている。
雛咲深羽の母親。
昔から霊感が強く、「ありえないもの」を見続けてきた女性。
氷室邸で起きた作家の失踪事件で、ただひとりの肉親であった兄、雛咲真冬を失い、
その後は兄の知人である、麻生優雨宅に身を寄せ、写真家助手となっていた。
その後、妊娠を機に写真家助手を辞め、一人で深羽を出産する。
気が弱く優しい性格で、人の意見に流されやすいところがある。
冬陽と同じ学校の女学生で、密花の占いを目当てに店に通っていた。
失踪した友人「百々瀬 春河(ももせ はるか)」の影見を密花に依頼していた少女。
「人探しは引き受けるかどうか、慎重に決めたい」という密花の返答を待っていたが、待ちきれなくなり、
一人、春河が向かったと思われる日上山へ向かった。
日上山の「形代神社(かたしろじんじゃ)」に現れる少女。
人の心を読んだかのような謎めいた言葉で語りかけてくる。